たをる専用ものほしざお

ゲームとかに関するメモ・日記・雑文

日本で一番xxなソフトウェア会社の話

珍しく時事ネタ関連。少し気になったので。
某ソシャゲで転けてなんかヤバいことになってそうな会社のお話。内情知ってるわけでも無いですし、推測が多いですが、色々気になる話なので、たまにはそういう話も書いてみようかと。

表面的に見るとソシャゲのリリースに失敗してお金が無くなったのでお金を借りるしか無かった、となるのですが、どうもそれが問題の本質ではないみたいなのですよ。
お金の借り方が変というか、どうも3月期の決算では触れていなかった何かを隠しているんじゃないかと、その疑惑があるので危ぶまれているということかと思います。
というのも
こちら
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にあります3月期の決算(画像で上から5つめ)では、今年度は減益ではありますが、手元の資金は増えていて、健全な状態ですよ、とアピール。昨年度3円から4円に増やした配当の4円というのも維持しているのですよね。
連結キャッシュフローの数字は昨年度から4億5千万円積み増して20億4600万円になっています。こちらの年間の売り上げが45億円で経常利益が今年で5.29億円ですから人件費などを含む年間のランニングコストはおよそ40億円。逆に言えば、20億円の手元資金というのは、この半年分をまかなえるだけのお金があると言っているのですよ。それが5月10日発表の話です。
それが、舌もも乾かぬ1週間後に…MSワラントでの資金調達をすると言っている。これがどう考えても変。20億、どこいった?と。
もちろん、ソシャゲの売り上げが上がってこなくて予定していた売り上げが無かったというのはあり得ますが、サーバのレンタル代だ何だと言っても億のオーダーにはなりません。そんな契約になっていらそもそも年商に比べてお金かけ過ぎです。人件費がかかると言ってもそちらも急に降って湧いて出てくるものではありません。元々見えている費用ですから。
それなのに、突然足りないと言ってお金を借りると言い始めたのが今回のMSワラントです(画像の上から3つ目)。これが5月17日ですね。
この同じタイミングで会計監査人の異動も発表されています(上から4つめ)。このとき退任しているのはあずさ監査法人。新たに就任しているのが東海会計社というところです。ところで、昔公認会計士の友人に聞いたのですが…日本の会計監査法人は事実上大手を見ることが出来る会社は4社しか無い寡占状態に近いものなのだそうです。
4大監査法人 - Wikipedia
そう、そして退任したあずさ監査法人はその4大の一角。一方で東海会計社という名前はこちらに出てきませんね。つまり、大手を解任して中小に乗り換えた。また、この手の話はどこぞの大企業の監査が承認されず、ほぼ粉飾決算に近いところまで行った際にも取り沙汰された構図に近いものをかんじますよね…。つまり都合の悪いことを隠すために付き合いの古いところを切り、新しく来て慣れていないところをだまくらかそうとしているように見えると。
もちろん、会計監査にかかる費用が、大手は高いのでそれを少しでも節約するためといった理由があるのかも知れません。ただ、株価なんてものは信用で成り立っているわけで…この状況であえて疑われても仕方ないことをするのは何故なのでしょう…と考えるときな臭い気がしてくるのですよ。


MSワラントに関しては、正直正しく理解できていません。大体の説明はネットでも溢れているのですが、具体的に動くお金がどのタイミングでどういう額になるのかがちょっと理解できていません。
まずMSワラントでは、新株予約権を発行するので既存の株式が水増しされて価格が下がることが見えている上に、引き受けたときの価格が変動するので、引受先が丸儲けというのはなんとなく。
一応私の理解では、まずMSワラントが発行されたタイミングで引受先の大和証券空売りを37万5千株分行って、これが例えば現在1500円付けているのだとすると5億6250万円になると。で、これによって株価が下がり、6月3日以降の時点で例えば1100円まで下がったとすると翌日の6月4日に0.9倍の990円で37万5千株を購入できて、結果3億7125万円を大和証券が支払うのかと。結果、大和証券は差額の1億9125万円を儲け、発行元は3億7125万円(から発行所費用の400万円を引いた額)を手にし、既存の株主が株価低下分で損をすると。
問題は、行使日は2年先まで引き延ばせるように見えるという点。発行した日本で一番xxなソフトウェア会社としては6/3だか4だかのタイミングでお金が入ってこないと困るでしょうし…。それと、大和証券が最終的に行使したときに払う金額というのがイマイチ分からないんですよねぇ。
まあ、その辺は置いておくとしても、とりあえず、株式を水増ししつつ、さらにそれを引受先の証券会社に有利な条件で価格設定をする段階で、既存株主をないがしろにした資金調達方で、つまりは信用(株価)が失われることは避けられないと…。当然企業価値は下がりますし、持っている自社株の価値も下がりますし、さらに資金の調達は難しくなることも避けられないかと。そして、この方法でしか資金が調達できなかったこと自体がすでに危険信号なのだと。まあ、サラ金ヤミ金みたいなものですかねぇ。


そうなると、決算も配当も、MSワラントを実施するに当たって、少しでも条件をよく見せるために、よく見せようとした結果なのかな?と思えてくるわけですね。とはいえ、それで株主をだまくらかしてMSワラントで損害を与えるなんてのは、完全な裏切り行為ですし…。下手すりゃ粉飾決算してるんじゃ…という疑惑も…。
同時に、急に出てきたガレリアのなんちゃらという、ヒット作の続編の話もきな臭いんですよね。これ株価対策じゃね?
突然の夏発売予定から来年春というのは、実は実態は何もありませんでしたがこれを材料にお金借りようとしたけど銀行には見抜かれていて無理でした、で延期というなの無期限凍結した可能性も…。だって、そうでもないと3ヶ月で出るって言ってるものが突然1年先にはなりませんって…。
こうなると、以降の新作発表も全て信用できないという話になってしまうという…。
さらにきな臭い材料として海外でのレイオフという噂も出てますしねぇ。どうなっているんでしょう。


MSワラントの資料(画像の上から3つ目)を眺めていると、こちらに資金の使途についても書いているのですよね。7ページ目。
これによると、①開発を行うスタッフの人件費 369,638,750となっています。②以降もあるのですが意味があるのかは分かりません。というのも、この額、実際に発行元が手にするであろう1000円から下限である920円辺りの価格で買い取られた場合に手にする3億7千万円前後にかなり近い数字になっているんですよね…。そして、それ以上の額が手にできる見込みはかなり薄い。となると、一応項目としてあげているけど、実態として期待している額とその使途は実質①の部分だけなんじゃ…と思われるわけです。となると、用途は結局人件費だと…。
こう書かれていたため、社員の給料が払えないので調達を行ったみたいに言われたわけですね。まあ、この文言をそのまま正直に捉えるのもどうかと思うのですけどね。結局お財布は一つなので、全体として足りない分のお金をどこに回すかというのは外から見えるものではなく。当然有ってしかるべき人件費に割り当てます、というのは対外的には限りなく無難。ただ、実際にお金がショートした原因では無いでしょう。人件費は突然増えませんし、そういう書けない何かがあるんじゃ無いか?というほうがむしろ警戒されているようですね。


となると今度は気になるのがアレですよ。アレ。某ソシャゲ。
FWとかのイニシャルで呼ばれる会社と組んで展開したアレですが…。実際のところFWの過去実績からそっちが悪いのでは、という声も聞こえ。ついでに、プレーできた範囲ではソフトとしては動いたという報告も聞こえるんですよね。なので悪いのはインフラ寄りのFW担当分では無いか、などという憶測も。
ただこれも正直懐疑的に見ています。というのも収容能力のスケーラビリティの問題なら、サーバ増強で対応できる範囲なんですよね。いやまあ、とんでもなく見積もり条件を外れていたら別ですが。ところが、作り直しが必要で何ヶ月も時間がかかると言っている。
となると、必要となる性能とかそれにかかるサーバ代、収容能力とかのビジネス設計自体が狂っていたんじゃ無いかなぁと。
さらにFWの責任で会社が傾いたのであれば、ぶっちゃけ、責任分解とか損害賠償とか、もっと色々と話が出てきてもおかしくないと思うのですが、そういう話もなくて日本(以下略が資金調達している。となると…むしろ日本(以下略の方に原因が有った可能性も有るんじゃ無いかなぁと。

ソシャゲ、スマホゲー関連でサービスインするときの様子を多少は見ていますが、スタートは大体スモールスタートなんですよね。これ、結構大事で。最初からアリーナとかギルドマッチとか導入するのは多分悪手なんですよね。というのも、サービス開始時が一番人が多くてそこから急速に減り、しばらくして落ち着いて、以降単調減少が続くのがソシャゲのアクティブユーザの推移の典型例だと思うのですよね。
で、その最初だけですぐにいなくなる人たちを捌くために最初だけ潤沢なサーバ容量を契約して随時削っていくと。ただ、一方で開始時には重いサービスの提供を意図的に遅らせて、人が減るのを待ちながら適正な必要性能を算出しつつ追加要素の実装時期とサーバ契約の見直しをしていくんじゃ無いかと。
もちろん、その時々で開発が全部終わっていない可能性も多少は有るかも知れませんが、一方で、過度にリッチにせず、スモールスタートで順次実装していくというのは、ソシャゲの開発スタイルとしては正しいと思うんですよね。ただ、これっていわゆるパッケージソフト向け開発とは方向性が違うんですよね…。
完全に全部が設計通りに組み上がった完成品ソフトを売ることになれているゲームソフトメーカーであるからこそ過度に最初からリッチなソフトを実装した。それも社運がかかっている自社の看板ブランドですよ…。リッチで悪いはずが無い!結果…当初FW側に宣言していた要求性能を上回る化け物ができあがっていた可能性が…。
まあ、根拠は無いです。正直妄想レベルです。

ただ、日本(ryの開発スタイルも次世代機の潤沢な性能に任せて、それなりにリッチなゲームだけど、頑張ったら旧世代機で普通に動くんじゃね?というかとても最新鋭機の性能をフル活用しているとは思えないよね…という。つまり、リソースをフルに活用してマシン性能に対してコスパの良いコードを書けるような技術があるとはとても思えないんですよねぇ。
その結果が今の惨状なのだとしたら…。

以上、あくまで推測です。
そして、実際にはこの件が直接の原因では無く何か海外事業とかで損失出している可能性も否定できません。というか、ぶっちゃけ消えた20億の運転資金の方が気になります。まあ、完全に野次馬ですが、その辺の材料が出てくるのか、とりあえず注目ですね。